∴ 石垣の塗装 その１

日本の城のプラモデルで一番難しく、しかも完成度に深く関わってくるのが石垣の塗装です。
本物の石垣のように表現するのは至難の業です。いつも悩みます。
今回は石垣を磨ぎ出す方法を取ってみました。

　薄めに溶いたダークグレーを石垣全体に筆塗りします。左の写真です。それが完全に乾いたあと、サンドペーパで軽く、丁寧に表面をやすりがけします。積み石表面の塗装が磨かれて、溝部分にはダークグレーが残って石垣が浮かび上がりました。しかも全体がほどよく汚れていい感じです。

∴ 白壁と屋根の塗装

白壁と屋根を組み立てて、軒裏と白壁を塗装します。真っ白ではなく、フラットホワイトにグレーとベージュをほんの少量混ぜています。屋根瓦もダークグレーに何色か加えて筆塗りします。軒先の瓦部分と垂木部分を丁寧に塗り分けます。破風のある部分は、破風の塗装→屋根瓦の塗装→破風板を接着→白壁を接着→白壁と軒裏塗装→軒先の修正の順番です。屋根瓦は下地が乾いたあとに、全体に明るめの色をドライブラシして丸瓦を浮き立たせます。

∴ 石垣の加工

石垣ベースが反っておりカタカタしています。
このキット、天守群を囲む広い堀を再現しているのはうれしいのですが、水の表現がシールです。せっかくだから水面は自作することにして石垣ベースのパーツを思い切って切り離しました。

∴ 下見板の塗装

塗装に入ります。下見板張部分のパーツの塗装です。
これからの塗装は一応下塗りですが、やはり下地がきっちりしていないと最後まで響きますのでていねいに心がけました。
松本城の下見板は黒漆塗りです。実際に近づいて見ると、漆のつやが残っているところもありますが、風雨にさらされていますし、模型ではスケールも小さいので、つや消しブラックを筆塗りしました。
塗料の皮膜でモールドが埋まってしまわないよう、塗料の濃度には気を遣いました。

∴ 屋根の加工

屋根パーツはところにより、ご覧の通りプラスチックが流れ出ています。金型がもう相当古いからだそうです。
丁寧に取り除きます。
左が加工前、右が加工後です。
同様に、白壁や下見板のパーツからもこのようなバリを取り除きました。